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20. 制限された努力しかできない人間にはなって欲しくありません

多くの学生はこれまで消費者として生活してきています。お金を払えば商品を得て、アルバイトでは一定時間の労働に対してお金を受け取れます。この生活の影響なのか、自らの努力に対して、自分勝手にその価値を決める傾向があります123。このぐらい努力したんだから、あれぐらいの研究成果が出るだろう、との考えです。

 

賃金(研究成果)と労働(研究活動)が均衡することはありません1。局所的に見れば、研究では必ずしも努力が成果に結びつきません。かなりの努力をしたにも関わらず良い成果が出なかったり、大した努力もしていないのに良い成果が出たりします。しかし大局的に研究の世界を見渡せば、努力と成果の間に正の相関があるのは間違いありません。私の実感としても、また他の研究者からの意見1としても正しいと確信しています。

 

良い結果が出る確率を上げる手段はあります。論文などを読んだり、Google Scholarで必要な情報を検索して集めたり、学会で情報取集したり、共同研究者と話したりなどして、たくさんの情報を知識として身につけることです。

 

良い結果が出ないのは、その実験の計画段階で何かしら問題があったからかもしれません。しっかり考えたつもりでも前提条件が間違っていた可能性もあります。そのような可能性を下げるには、先人たちが築き上げてきた知識を限界まで活用するしかありません。それでも前人未到の領域へと足を踏み出すとうまくいかないことは何度でもあります。そこで不毛な努力をするのではなく、正しい努力ができるようになって欲しいのです。

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