top of page
信州大学 農学部/大学院農学専攻 創薬標的科学研究室
Laboratory for Drug Target Research, Bioscience and Biotechnology, Faculty of Agriculture, Shinshu University
14. 強みを生かした副業を今から考えてください
本業以外から副収入を得る手立てを若いうちから模索してください。これは単なるアルバイトではありません。アルバイトとは、単位時間当たりの労働力を時給で提供するもので、ある程度誰でもできることです。私は労働力と時間の搾取だと思っています。副業とは、雇用されずにフリーランスとして自分の才覚などで仕事をすることです。
政府が主導する「働き方改革」では、2018年に「モデル就業規制」を改訂し、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」の規定が削除され、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と記載されました。これは政府が副業・兼業を推進しているに他なりません(1)。まだ全ての企業が副業を解禁している訳ではなく、約30%程度が推進・容認している程度ですが、今後増えていくことは間違いありません(1)。
Webサイトやゲームのデザイナーを本業としながら、YouTuberとして副収入を得ている方が多くいます。プログラマーやライターの副業もありでしょう。また、バイオハッカーというフリーランスのバイオ系研究者も出てきつつあります(1, 2, 3, 4, 5)。大学院博士課程への進学率が低下していることとは逆に、一般市民が日曜大工感覚でバイオ研究を行う「DIY(Do It Yourself)バイオ」が広がりを見せています(1, 2)。PCRを行うThermal Cyclerでさえ10万円で手に入る時代です(1)。高速遠心機だって手作りできます(1)。プログラムに限らず、様々な技術がオープンソースとして誰でも活用できるようになり、学術論文ですらオープンアクセス化により無料で誰でも閲覧できるようになってきています。サイエンスライターという科学の記事を一般人にわかりやすく紹介する仕事だってあります(1)。DIYバイオが広がれば、需要が増えることは間違いないでしょう。
オープンイノベーションという言葉なら誰しも聞いたことがあるでしょう。世界は急速にそして強制的に開かれています。この流れは誰にも止められないでしょう。バイオハッカーについては、後追いでその倫理的・法的問題をどうするのかなどの議論がなされています。そのような流れの中から、これまで誰も考えもしなかった仕事が現れてきます。もしくは君がその仕事を作り出すかもしれません。
会社に就職することだけが収入を得る手段ではありません。収入源は複数あったほうが圧倒的に安定でしょう。そのほうが楽しいと思いませんか? 辞めたくなったらいつでも辞められるのです。副業だから失敗したっていいじゃないですか。副業が本業を超えるかもしれません。
副業はアルバイトではありません。自分の才覚を生かして見つけてください。そして、その才覚を磨けるのは若いうちしかないのです。
ちなみに喜井は研究成果を活用したベンチャーを起業する計画を立てています。学生時代にお世話になった教授が研究成果を事業化するのを横目で見ながら、いつか自分もやってみたいと思い、色々と勉強してきました。この場合は本業を生かした形の副業ですが、様々な形があって良いと思います。
bottom of page